宇宙実験を自動化するロボット設備「TUSK」の開発
概要
- 打上げ日:2025年10月26日
- 打上げ機:H3ロケット7号機/新型宇宙ステーション補給機1号機(HTV-X1)
- 設置場所:国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟 多目的実験ラック(MSPR)
- ミッション:微小重力環境におけるロボットアームの機能実証および位置決め・軌道精度の評価
- 弊社担当範囲:電気・構造・熱設計を含むシステム開発、フライトハードウェアの製作・試験
- 開発・製作期間:2023年~2025年

開発内容
TUSK(Test facility for lab-aUtomation System in Kibo)は、国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟で、将来の宇宙実験の自動化・自律化に向けた技術を実証する設備です。2台のマニピュレータ(ロボットアーム)と3台のカメラなどを備え、地上から送信したプログラムにより、軌道上でロボットアームを動作させることができます。
株式会社ウェルリサーチは、JAXA殿が実施するTUSKの開発・製作において、宇宙機搭載品として要求される安全性、信頼性、環境適合性を考慮しながら、システム全体の設計、フライトハードウェアの製作および試験に取り組みました。
主な開発内容は次のとおりです。
- 2台のマニピュレータ、カメラ、LED照明、計測機器を統合するシステム設計
- 「きぼう」の多目的実験ラック(MSPR)との機械・電気・熱インタフェース設計
- 電源の生成・分配・保護・監視を担う電源ボックスおよび電源制御基板の開発
- 軌道上での設置、移設、収納およびクルー操作を考慮した構造・機構設計
- 機能・インタフェース、EMC、振動などの各種試験による設計妥当性の確認
マニピュレータは電磁石を用いて固定・移設できる構成とし、軌道上で実験設備の配置を柔軟に変更できるシステムを実現しました。
TUSKは2026年2月に「きぼう」へ設置され、初期機能チェックアウトでは、マニピュレータの動作、電磁石による固定・移設、カメラによる画像取得、LED照明などの機能が軌道上で正常に動作することが確認されました。さらに、微小重力環境を活かした自律実験機能の技術実証と、マニピュレータの精度計測ミッションが実施されました。

今回の開発で得られた知見は、将来の宇宙実験におけるクルー作業の省力化や、微小重力環境での高精度なロボット制御、宇宙製造技術の発展への活用が期待されます。